ダイエー問題は我々に何をもたらすのか?

大手マスコミが語らない事でも、地方新聞であれば、骨太な意見を読む事ができる。

中国新聞 10月14日社説より引用

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外資導入などを前提とした民間主導の路線か、それとも産業再生機構に支援要請するのか迷走したが、機構活用に消極的なダイエーを主力金融機関のUFJ銀行など大手三行が、融資打ち切りなどを表明して説き伏せた。

要するに、もうお前のトコには金貸さない! と言って脅したワケですよね。

 ダイエーの再建は一兆四千億円の営業収益という規模、一万人を超す従業員、約一兆円の有利子負債などから日本の不良債権処理問題の象徴となってきた。

 ダイエーは借金による拡大経営を続けた後、バブル崩壊に伴う地価の暴落などでキズ口を広げた。巨大グループだけに、破たんに至ればその影響は極めて大きい。ダイエー側に金融機関も政府も放ってはおかないはずと、一種の「開き直り」がこれまでなかっただろうか。

 三行などから資本投入、債権放棄などの支援を受けてきた。これらの一部は金融機関を迂回(うかい)した国民の税金である。しかし今も巨額の債務を抱え、営業収益も低迷気味だ。経営の立て直しには食料品販売への特化など検討課題は多い。またプロ野球の再編問題も絡んで、ダイエーホークスの行方に大きな注目が集まるのは間違いない。

ダイエー問題は様々な形でマスコミで取り上げられているが、肝心な事は、銀行による資本投入、債権放棄などの行為は、国民の税金により負担されている事では無いのか?
破綻確実となれば、政府も動くだろうとの甘い読みがダイエーにあったのは疑うべくもない。

独立行政法人経済産業研究所の記事があった。

http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/kobayashi/06.html

この記事の説明に拠れば、ダイエーの債権は民間同士の取引では売買できないと言う事である。
三井住友銀行みずほコーポレート銀行は、ダイエー不良債権をなるべく高く売りたいワケだ。
一方、その不良債権を買い取る企業は、不良債権であるので、安く買い叩きたい。
売りと買いの値差が広過ぎて、売買できないので、再生機構が一肌脱ぎましょうと言う事なのである。
三井住友銀行みずほコーポレート銀行が主張する売り金額に近い金額で買いましょうと言う事である。
放って置いても、有利子負債であるから、負債は増えるばかりである。


この記事でも言及されている様に、問題は、

2つの懸念がある。
1つは、機構の損失が膨らみ、納税者の負担に回る恐れがあることだ。

機構の不良債権買い取り資金が金融機関からの借り入れになることは先に述べた。買い取りが円滑に進む(=金融機関が資金を貸しやすくなる)ように、この借入金には、総枠10兆円の政府保証がつけられている。再生に失敗して、機構がこの買い取り資金を返済できなくなった場合、政府が返済を肩代わりしてくれるわけだ。

この政府が返済を肩代わりと言うのは、税金からゼニを出しましょうと言う意味です。

銀行の資産査定が甘く、不良債権の価値を実態より高く評価すれば、当然、買値は高くなる。

ウソつきUFJが果たして、正直に不良債権の価値を評価するのでしょうか?

もう1つの懸念は、逆に機構がリスクをとらないことだ。例えば、機構が、損失を恐れて買値をあまりに安くしすぎると、銀行が機構に持ち込む企業の数は激減してしまうだろう。

それでは、機構は利益を上げるかもしれないが、市場を発展させる呼び水役は果たせない。

まあ、政府が介入すると兎角税金を使う事しか考えないので、それ位厳しくしても良いのでは無いかと個人的には思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040806-00000004-kyodo-bus_all

有利子負債を1兆751億円だそうである......合掌。